新たな肥満対策の薬「オルリスタット」はどれくらい痩せられる?

糖尿病・肥満

「食べたことを無かった事に!」

このような謳い文句のサプリメントや健康食品などの市販薬はたくさんあります。ですが、本当に効果が有るか微妙だが楽してダイエットしたいユーザは沢山いる事は確かです。
ところで、厚生労働省より2023年2月に肥満症を予防するための薬である「アライ」が承認され、食べて楽してダイエットがもっと身近になったようです。

アライは海外では一般的なダイエット薬

2023年に国内で厚労省から認可を得られた「アライ」だが、肥満人口が多い米国では「ゼニカル」という製品で長らく普及をしておりました。

このゼニカルは、食事内の脂肪分を最大30%カットできるのが臨床試験で認められたダイエット医薬品です。

体重の減少効果は高く、肥満大国アメリカでも人気があります。

この記事でわかること
  • ゼニカルのダイエット効果
  • ゼニカルを飲むとどれくらい痩せられるのか
  • ゼニカルを飲み始めてどれくらいで効果を実感できるのか

このコラムを読めば、そんな気になる疑問を解決できます。

アライの肥満を解消するメカニズムは意外とシンプル

このアライの成分である「オルリスタット」が肥満を解消するメカニズムは、意外とシンプルだ。

ふつう、人間が食べ物から摂ったアブラ(油・脂)は、小腸から分泌されるリパーゼという脂肪分解酵素によって分解されて、体内に吸収される。

ところが、オルリスタットはこのリパーゼの分泌を抑えるため、アブラが分解されない。結果的に吸収が抑えられて、そのまま体外に排出される。まさに、“食べたことをなかったことにする”メカニズムを持つ薬といえるだろう。

アライを服用して得られる効果を整理すると。

アライ(オルリスタット)の効果
  • 食事内の脂肪分最大30%をカット
  • カットした余分な脂肪分を体の外へ排出
  • 効果の持続時間は1~2時間程度

アライは国内では新薬として扱いかもしれませんが単なるジェネリック品です。
先発薬としてゼニカルという製品が「脂肪阻害薬」に分類されるダイエットピルとして長らく流通しておりました。

つまり、ゼニカルは米国製であり審査基準が厳しくて有名な、アメリカの政府機関FDA(米国食品医薬品局)にも認可されている安全性の高い薬で、国内の美容クリニックでもダイエットピルとして処方されています。

食事から摂取した脂肪分を最大30%カットし排出

先発薬あるゼニカルは、食事から摂取した脂肪分を最大30%カットし、体の外へ排出させます。

また、ジェネリックあるアライは大正製薬から発売されており効果の説明としては以下になります。

大正製薬のホームページによると、オルリスタットの効能・効果は「腹部が太めな人(男性が腹囲85センチ以上、女性が90センチ以上)の、内臓脂肪および腹囲の減少」で、決められた量(1カプセル・60ミリグラム)を1日3回、食事中または食後1時間以内に水かぬるま湯で服用する。

また薬の服用に加えて、食事・運動の改善を行うことを推奨している。
抜粋:https://www.taisho.co.jp/company/news/2023/20230217001239.html

食事で取り込んだ脂肪分を、体の中で吸収して分解する酵素「リパーゼ」の働きを抑制することで、脂肪分を体に取り込ませないようにします。

あくまでも食事で摂取した脂肪分が対象のため、すでに体に取り込まれて蓄積してしまった体脂肪を分解することはできません。

効果の持続時間は1~2時間程度

オルリスタットの効果持続時間は1~2時間程度で、服用後30分ほどで効果がピークとなります。

その後は徐々に効果が弱くなっていき、吸収を阻害された脂肪分は、24~48時間以内に便と共に体の外へ排出されます。

アライでどれくらい痩せられる?

アライで具体的にどれだけ痩せられたのかのデータはありませんが、米国発の先発薬であるゼニカルを使用した場合の実際に臨床試験データを使って説明したいと思います。

Orlistat 120mg 1年服用
無作為化時の初期体重 97kg
平均減量 -6.1kg
5%減量した割合 77.20%
10%減量した割合 46.90%

ゼニカル120㎎を1年服用した場合、97kg→90.9kg、平均-6.1kgの減量に成功しました。

また、5%減量に成功した割合は77.2%、10%の減量に成功した割合は46.9%との報告がされています。

つまり1年間服用するだけで、約47%の方はおよそ-10kgの減量に成功しています。

脂肪が減りだした実感はいつごろから?

オルリスタット製品を使用して効果が実感できるのは、だいたい2週間と言われています。
やはり、これらの効果は個人差が多いはずです。日ごろから脂肪分が多い食事をしているために肥満体質であれば、体の脂肪分の吸収阻害への反応は多いはずです。

人によっては数日で体の脂っぽさや皮脂感が減ってくるのを実感する人もいるようです。

こららの製品は長期間継続して服用しても問題はないため、効果が薄いと感じる場合でも、あきらめずに継続して服用することをおすすめします。

オルリスタットを飲んでも効果が出ない場合は?

オルリスタットを飲んでも効果が出ない場合は、以下の原因が考えられます。

  • 脂肪分を摂り過ぎている
  • 糖質など脂肪分以外が原因となっている
  • 体質に合っていない

製品としては、ジェネリックのアライと先発薬のゼニカルがありますが、それらはどちらも同じ成分ですので、日本製のアライだから、肥満大国の米国だから効果が強いという事は無いはずです。
ですが、相違点としては1錠当たりの成分量には注目してください。

脂肪分を摂り過ぎている

オルリスタットは、食事で摂取した脂肪分の吸収をカットしてくれる薬ですが、100%カットしてくれるわけではありません。

ゼニカルがあるからと安心して過剰に脂肪分を摂取している場合、ゼニカルの効果で30%脂肪分をカットしても、ダイエットにならない可能性があります。

30%カットできるからと安心して、普段より多く摂取していれば効果が感じないのは当然です。

脂肪分の摂り過ぎは控えましょう。

糖質など脂肪分以外が原因となっている

オルリスタット(アライ、ゼニカル)は食事で摂取した脂肪分の吸収をカットする効果がありますが、炭水化物や糖質をカットする効果はありません。

例えば、白米やジュースをたくさん摂取しており糖質を取り過ぎる事で肥満の原因となっている事もあります。

糖質の摂取を制限したい場合は、糖質制限用のダイエットピルがあるのでそちらの使用をおすすめします。

体質に合っていない

オルリスタット(アライ、ゼニカル)を長期で使用しても効果を感じない場合は、体質や食習慣に合っていない可能性があります。

オルリスタットはお腹の脂肪に効果があるのではなく、今しがた摂取した食事に対して効果を発揮ます。つまり、脂肪分が控えめな食事をしている場合は効果を思うように発揮しないかもしれません。

もしかしたら糖質太りかもしれませんので、何が原因なのか突き止め、その原因に合ったダイエットピルに切り替えましょう。

糖質制限用のダイエットピルを見る

ダイエットピル比較

ダイエットピルは、オルリスタットのような脂肪分の吸収をカットしてくれるもの以外に、体内の余分な糖分を、尿と共に体の外へ排出させるものや、食欲抑制効果のあるもの、糖質の消化吸収を遅らせるものなど色々あります。

もちろんチェックしておきたいのが、アライと同様に海外ジェネリックは多数あります。

アライ同様の海外ジェネリックを見る

ゼニカルの効果に関する口コミ

ここでは先発薬であるゼニカルを販売している海外通販サイトの口コミレビューをチェックしてみました。

参考サイト:海外通販サイトの三越屋

ひろひろみ(49歳)
メディアの評判とアメリカで承認されているということで購入してみました。評判の通りに高価は絶大でした。油が大量にでます。まだ1度しか使用していないので体重の変化はありませんが、1ヶ月で5キロ減量したという人の話は嘘ではないと思います。便器はすぐ汚れますが、その手間を取っても購入して良かったです。

さとちゃん(50歳)
油分が排出されているのは一目瞭然でした。油分が多い食事を避けていてもこれだけ排出されるのかというくらい出ていました…。現代の食事では知らずのうちに油分を取り過ぎているのかもしれません。ゼニカルの効果は思っていた以上だったので、今後の減量に期待です。

カズヨシ(32歳)
健康診断でメタボを指摘された。それからからり気になってしまい、どうにか解決策を・・と思って探したのがこれでした。3食の食事の時に服用すれば30%の油分がカットできるときいて購入しました。まだ、お腹はぷくっとしたままですが、身体が軽くなってきている気がします。

たこやき(22歳)
太りやすい私に取りましては、必需品です。朝、起きたらすぐに水でカプセルを一錠飲みます。副作用は私の場合は、まったくありません。脂分の多い食事が大好きなので、便と一緒にかなり出てくれます。個人的には焼き肉を食べた時に飲むと一番効果を実感します。

小島(42歳)
よ油の吸収を阻害するだけで、全ての油を排出する訳ではないので、食べ過ぎればもちろん太りますよう。
確か30%位の油分を排せつするだけすが、トイレで油がスゴイです。効果が目に見えて分かります。
油系のビタミンも一緒に排泄されやすいという事で、ビタミン剤も一緒にとると良いようです。
マルチビタミンも飲んでます。

SNSでの口コミ

 

口コミでは、アライの評価はあまり見当たりませんでした。
知っている人は既に海外ジェネリックや先発薬のゼニカルが主流なので、特に目新しくなかったのかもしれません。

情報強者の人はオルリスタットで脂肪排泄ダイエットは常識なんでしょうね。

オルリスタットのデメリット

オルリスタットは食べた脂肪分を排泄されるとても素敵なお薬です。
ですが、このお薬にもデメリットがあります。吸収阻害をされた脂肪分が全て塊として排泄されるのでしたら良いのですが、そうは都合よくいきません。

多くの場合は、そのまま便と共に体の外へ排出するため、下痢や軟便になる場合があります。

また、オナラも出やすくなかも、ガスだけが出ると思ったら緩くなった便も一緒に出てしまうという事もあります。

いざという時に慌てないように、前もって生理用ナプキンをあてておくなどの事前準備をしておくと良いでしょう。

オルリスタットの効果に関する質問

これからアライを使うにしても米国本場のゼニカルを利用するにしても、一般的な疑問、質問をまとめてみました。

オルリスタットの服用をやめたらリバウンドする?

これらの回答は先発薬であるゼニカルにおける評価が主になります。服用を止めるとリバウンドが起きる確率に関しての明確な統計データはありませんが、ゼニカルは食べたい物を我慢せずにダイエットできる薬なので、服用をやめてもリバウンドする可能性は少ないと言われています。

良くあるダイエットでは食事の量を減らすことで筋肉量が減ってしまいリバウンドをしてしまうようですが、オルリスタットでのダイエットではきちんとタンパク質など代謝を落とさない食生活ができるので、服用を止めてもリバウンドはしにくいとは考えられています。

ただし、アライ又はゼニカルを服用している間は脂肪分を30%ほどカットしてくれますが、服用をやめた後も同じ感覚で脂っこい食事ばかりを食べてしまうと、せっかく成功したダイエットが振り出しに戻ってしまいます。

ダイエット成功後は、脂肪分の多い食事を控えめにした方が良いでしょう。

脂肪分が少ない食事の場合、効果は見込める?(サラダなど)

アライ又はゼニカルは脂肪分の多い食事をした際に、効果を発揮するダイエットピルです。
サラダのような脂肪分が少ない食事の場合、アライ又はゼニカルを服用してもダイエット効果や減量効果はあまり期待できません。

脂肪分が少ない食事をしながらダイエットしたい場合は、別のダイエットピルを選びましょう

脂肪以外の栄養素は阻害される?

ゼニカルは脂肪分の吸収を阻害する働きがありますが、それ以外の炭水化物やタンパク質などの吸収を阻害することはありません。

しかし、油脂に溶ける性質の脂溶性ビタミンは、カットされる脂肪分と共に体の外へ排出されてしまうので、マルチビタミンなどを積極的に摂取することをおすすめします。
*脂溶性ビタミンは、水に溶けにくく、油脂やアルコールに溶ける性質のビタミンで、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKが該当します。

脂肪が漏れてしまう場合の対処法は?

ゼニカルは脂肪分を便と共に体の外へ排出させるため、おならと一緒に脂肪分が漏れてしまう場合があります。

自宅の中なら良いですが、オフィスや外出先で下着やズボンなどが汚れる事態は避けたいですね。

事前に生理用のナプキンや尿取りパッド、紙おむつを用意して対策しましょう。

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